遠くから来て遠くまで。

エルネア王国プレイ中に生じた個人的妄想のしまい場所。

ご武運を。

 

父がガノスに旅立ってから、初めてのエルネア杯。

そしてこれが...おそらく夫にとっての最後のエルネア杯となる。

私は...ジャスタス君に勝って欲しかった。

何としても。

 

f:id:OBriens185:20201020212433j:plain
f:id:OBriens185:20201020212458p:plain

 

f:id:OBriens185:20201020212619p:plain
f:id:OBriens185:20201020212539p:plain

各試合は目まぐるしい早さで進んでいく。

この場所に至るまでの

それぞれの戦士達の想いも努力も、

敗者となった瞬間に水泡のごとく消えていく。

 

そんな過酷な世界に、私の親友・兄弟...そして夫は身を置いている。

その世界に身を置けることを...羨ましくないと言ったら嘘になる。

でも、私にそれを言う資格はないのは解っている。

自分の意志で、その権利を放棄したのだから。

 

マグノリアは自分の夢を捨ててまで、俺の所に来てくれると言ってくれたんです。

...だから必ず...俺は彼女の代わりに...いや、彼女と共に龍騎士になります!」

あの夜、激怒した父を目の前にして、彼は毅然とそう言ってくれた。

あの日以降、彼が自身を鍛え上げるために、どれほどの犠牲を払ったことか...。

 

ここに至るまでの二度の挑戦は...残念ながら敗北の形で終わってしまった。

山岳兵が公式試合に出られるのは、子供に家督を譲るまでの間のみ。

夫はもう18歳...おそらくこれが「最後の挑戦」になるだろう。

 

そんな私の感傷をよそに、試合は着々と進んでいく。

f:id:OBriens185:20201020222204p:plain
f:id:OBriens185:20201020222230p:plain

私の親友アンジェリカは、準決勝を目前にして、

山岳兵団序列第二位の戦士、カティーナに敗れた。
前回のエルネア杯では、颯爽と山岳兵に勝利した彼女なのに...。

どんな強い戦士でも、相手がある限り、結果に「絶対」なんてないんだ。

 

f:id:OBriens185:20201020223215p:plain
f:id:OBriens185:20201020223142p:plain

そう。「絶対」はないのはここでも証明された。

圧倒的な下馬評を覆し、弟ガイスカは「魔銃導師」エゴン・ブエノに辛くも勝利した。

大事な弟の勝利を喜ぶとともに...近づく「その時」を前に...心が揺れる。

 

15日。

エルネア杯準決勝(第一プール)

山岳兵団長 ジャスタス・コロミナス VS 近衛騎士隊長 カール・オブライエン

夫と兄が...対戦する。

 

カール兄さん。

私は兄さんが、ここに来るまでどれだけ苦労してきたかを知っている。

旅人の血を半分受け継ぐ私たちは、決して素質に恵まれているわけではない。

生粋のエルネア人と渡り合う為には、倍以上の時間を鍛錬に費やす必要がある。

 

f:id:OBriens185:20201020224335p:plain
f:id:OBriens185:20201020224359j:plain

兄は選抜トーナメントに挑戦しては敗れることを繰り返し...

ようやく三度目の挑戦にして、騎士隊への切符を手に入れた。

騎士隊入隊後も決して順風満帆ではなかった...

だからこそ、兄が騎士隊長にまで登りつめた時は、自分のことのように嬉しかった。

 

f:id:OBriens185:20201020225134p:plain

f:id:OBriens185:20201020225239p:plain

いつも、私たちのことも気にかけてくれた優しい兄さん。

f:id:OBriens185:20201020225617p:plain
f:id:OBriens185:20201020225522p:plain

兄さんが、父の名を継ぐ者として、どれだけの想いをこの場にかけているかも、私は知っている。

 

そして、私のもう一人の親友アラベルが、そんな兄さんをしっかり支えてきたことも...

f:id:OBriens185:20201020230532p:plain


でも。

全ての願いは同時には叶わない。

私はの願いは、夫ジャスタスが龍騎士になること!

そのためには...

 

私は、山岳兵団長の妻、マグノリアとして、

夫にヴェスタの宝剣を手渡した。

「このお守りで勝利を掴んで!

どうかご武運を、兵団長!」

f:id:OBriens185:20201020231521p:plain

「...ありがとう。勝ってくるよ。山岳兵団の誇りにかけて」

「あなたを信じてるわ...」

そう、信じていたの。あなたの勝利を。

f:id:OBriens185:20201020232148p:plain
f:id:OBriens185:20201020232238p:plain

だけど...

f:id:OBriens185:20201020232543p:plain
f:id:OBriens185:20201020232603p:plain

 

f:id:OBriens185:20201020232841p:plain

...勝負は一瞬で決着が着いた。

兄の猛攻は、夫の反撃を一撃たりとも許さなかった。

「父さん!」

思わずイグナシオが声をあげた。

 

試合後、夫にかけよろうとする息子を、私は手で制した。

f:id:OBriens185:20201020233329p:plain

「声をかけないであげて」

兄と握手した後、静かに闘技場を後にする夫の背中を

今は見送るしかなかった...

 

(つづく)

 

 ※この時期はもう3代目に引き継いでいるため、実際にゲーム上でヴェスタを渡したのは息子である三代目PCイグナシオなのですが、中の人の気持ち的には、妻マグノリアとして渡しています。